嚥下障害とは?

嚥下障害とは、食べ物や飲み物を口から胃へ送り込む「飲み込み」の動作に問題が生じる疾患です。私たちは普段、無意識に1日500~1000回も嚥下(えんげ:飲み込み)を行っており、この複雑な動作には舌、のど、食道など多くの器官が協調して働く必要があります。
嚥下障害は高齢者に多く見られるもので、他にも脳血管障害や神経疾患など、様々な原因で起こります。放置すると誤嚥性肺炎や窒息、脱水や栄養不良などの深刻な問題につながるため、早期発見と適切な対応が重要です。
専門的な知識を活かした相談対応
吹田市・五月が丘のリー耳鼻咽喉科・アレルギー科では、嚥下障害に関する専門的な知識と経験を持つ医師が、患者さまお一人おひとりの症状に応じた対応を行っています。ファイバースコープを用いた詳細な観察により、のどの状態をご確認いただきながら分かりやすくご説明いたします。
「最近むせやすくなった」「食事に時間がかかるようになった」「のどに食べ物が残る感じがする」など、飲み込みに関するお悩みは、どんな小さなことでも遠慮なくご相談ください。
このような場合はご相談ください
- 食事中によくむせる
- 飲み物を飲むとむせる
- 食べ物がのどに引っかかる感じがする
- 飲み込むときに痛みがある
- 食事に時間がかかるようになった
- 食後に声がかすれる
- 食事中や食後によく咳が出る
- 錠剤が飲みにくい
- のどに違和感や異物感がある
- 体重が減少している
- 発熱を繰り返している
など
これらの症状は嚥下障害の初期サインである可能性があります。早めにリー耳鼻咽喉科・アレルギー科へご相談ください。
嚥下障害の症状
口腔期の症状
食べ物を噛んで飲み込みやすい形にまとめる段階での問題です。食べ物が口の中でまとまらない、舌がうまく動かない、食べ物を奥に送り込めないなどの症状が現れます。よだれが多くなる、口から食べ物がこぼれるなども見られます。
咽頭期の症状
のど(咽頭)を食べ物が通過する段階での問題で、むせる、咳き込む、のどに残留感がある、食後に声がガラガラになるなどの症状が特徴的です。この段階の障害は誤嚥(食べ物が気管に入る)のリスクが高く、特に注意が必要です。
食道期の症状
食道を通って胃に送る段階での問題です。胸のつかえ感、胸やけ、食後の胸痛などが主な症状です。逆流性食道炎を合併することもあります。
嚥下障害による影響
誤嚥性肺炎や窒息のリスク、脱水症状や栄養不良による体力低下などを引き起こす可能性があります。また、食事の楽しみの喪失や社会的孤立(会食を避ける)、介護負担の増加などが生じ、QOL(生活の質)が著しく低下します。
嚥下障害の原因
構造的な問題
口腔・咽頭・喉頭の腫瘍や炎症、外傷や手術後の変化などにより、食べ物の通り道に物理的な障害が生じることで起こります。
動きの問題
脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、パーキンソン病などの神経疾患、筋疾患(重症筋無力症など)、加齢による筋力低下や反射の低下などにより、嚥下に関わる筋肉や神経の働きが低下することで起こります。
心理的な要因
ストレスや不安、うつ病、心因性の要因により、のどの違和感や飲み込みにくさを感じることがあります。器質的・機能的な異常がないにも関わらず症状が続く場合は、心理的要因も考慮する必要があります。
嚥下障害の検査
問診と診察
詳細な問診により、症状の経過、むせやすい食べ物、食事時間の変化などを確認します。また、口腔内の観察、舌の動き、咳の強さ、声の質なども評価し、総合的に嚥下機能を判断します。
ファイバースコープ検査(嚥下内視鏡検査)
当院ではファイバースコープを使用して、のどの状態を詳細に観察します。モニターに映し出された画像を患者さまと一緒に確認しながら、のどの動きや唾液の貯留、声帯の動きなどを評価します。実際に水分や食べ物を飲み込んでいただき、嚥下の様子を直接観察することも可能です。
専門機関への紹介
より詳細な検査が必要な場合やリハビリテーションが必要な場合は、適切な医療機関をご紹介いたします。
嚥下障害の治療・対応
原因疾患の治療
- 炎症性疾患の治療:扁桃炎、咽喉頭炎などの炎症が原因の場合は、抗生物質や消炎鎮痛剤による治療を行います
- 逆流性食道炎の治療:胃酸の逆流が嚥下障害を悪化させている場合は、制酸剤などによる治療を行います
生活指導・食事指導
- 食事形態の工夫:とろみをつける、一口量を少なくする、ゆっくり食べるなどの指導を行います
- 姿勢の指導:食事時の適切な姿勢をアドバイスします
- 口腔ケアの重要性:誤嚥性肺炎予防のため、口腔内を清潔に保てるよう指導します
嚥下訓練の指導
嚥下体操や舌の運動、のどのアイスマッサージなど、ご自宅でできる訓練方法をお教えします。継続的な訓練により、嚥下機能の維持・改善が期待できます。
継続的なフォローアップ
定期的に嚥下機能を評価し、症状の変化に応じて対応を調整します。必要に応じて、言語聴覚士によるリハビリテーションや、栄養士による栄養指導を受けられる施設をご紹介いたします。